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香は心の鏡



聞香百人一首は毎回

今日はなんの歌に出逢うか

改めて何を知るか何を聞くかが

ほんとうに楽しくて


歌人にしても

和歌にしても


「子どもの頃全然知らなかった

えっ、そんな歌だったの ってことが多い」


「香りで(和歌を)入れると改めて

忘れられない歌になっていきますよね。。」


などとご参加の方々と語らっています。   なので  全く和歌を知らないでお越しいただいても その場で心に入れて自分なりに

歌を読み わずかでも資料を読み

学んでいただく時間があるので大丈夫です☆






今回はお師匠こと香道研究家・故伊達晟聴師 をお見送りして一周忌の週末

奥さまも久々にお迎えしてのお席でした。



ご本名を佐々木渉と仰ったのですが

今回の日の一首 は


 かささぎの渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける

    中納言家持(大伴家持  おおとものやかもち)


さ さ き わ た る が絶妙に詠みこまれていて 家持もびっくりでしょう☆と嬉しく思うところ

評論家の方によっては この歌は家持の歌風ではなく疑わしい 的な向きもあり

学術とお遊びは違うな~ と 無邪気に思ったりします。苦笑





現代は世界中疲れているので

香りといえば自分を癒すためのもの

という印象が先に来るかもしれませんが

(それでもちろんいいのですが)

香りは本来古今東西神仏とか

見えない存在 尊い存在 ゆかしい存在に手向けるもので


さらに香道でいえば

毎回香木がどんな風に香るかは

まったくわからないという


まして千三百年前の家持や 平安貴族だけでなく まだまだご一緒したかった師匠も しのんで香に聞く そのことを 「心は生き続ける・・・」と 薫さんがしみじみされておられましたが


香りの向こうに なにがしかの気配を感じることで 自分の心を鏡に見ている 香りの向こうに

相手も自分も ひとつの心として 語り出している


そんな瞬間が訪れます それがほんとうにかけがえのない

やさしい時間だと思うので


聞香はやめられないのです 感謝合掌



 
 
 

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